令和2年第Ⅰ回短答式試験の概要が公表されました。
1月17日に短答式試験の合格発表があり、試験結果の概要等が公認会計士・監査審査会より公表されました。
過去最高難易度ともされる今回の試験結果を私の成績と比較しつつ見ていきたいと思います。
試験結果の概要
受験者数
願書提出者が9,393人いる中で、受験を辞退したのが2,148人ということで、約23%の人が実際には受験をしなかった計算になります。確かに会場には空席がいくつかありましたが、思っていたよりも結構多いですね。
願書提出者の中には、とりあえず願書を出してみた人、記念受験で不合格覚悟の人、など様々な人がいることを考えると、合格を争えるほどの実力を持った受験生は、今回実際に受験した7,245人よりももっと少ないかもしれませんね。
ボーダーライン
総合得点比率の57%以上
難しいと言われていた昨年の第Ⅰ回試験は63%以上だったので比率で6%、素点では30点分もボーダーが下がったこととなります。
私の成績は69.6%なので、得点比率で12.6%、素点にして63点、余裕をもって合格することができたことになります。正直合格発表まで不安ではありましたが、今となって振り返ると安全圏で合格できたみたいですね。とはいえ、論文式試験の安心はできませんので気を引き締めます。
合格者数
1,139人
昨年の第Ⅰ回試験の1,097人よりも微増ということになりました。合格率は願書提出者ベースで約12.12%、実受験者ベースで約15.72%です。
ボーダーがガクッと下がったものの、合格者数・合格率はほぼほぼ前年並み。難しいとはいえ、1,100人前後を合格させるという点では公認会計士・監査審査会の方針も変わらないようです。
平均点
左が平均得点比率、右が私個人の得点比率です。
管理会計論と財務会計論は足切りラインとされる40%を下回りました。これだけ平均得点比率が低かったこともあって、今回は足切りの適用はなかったとのことです。
ここ最近の傾向からすると管理会計論が難しいのは今更の話ではありますが、総得点の40%を占める財務会計論の平均得点比率が33.8%って...
財務会計論でどれだけ踏ん張れたかが、合否を大きく左右したのは言うまでもないでしょう。
私の成績を平均得点比率と比べてみると、管理会計論を除けば各科目ほぼほぼ難易度通りの点数が取れていたようです。裏を返せば管理会計論はもっと勉強しないとまずいと言うことですね。が、がんばりますっ!!
得点分布図
公認会計士・監査審査会:令和2年公認会計士試験第I回短答式試験の合格発表について:得点階層分布表(総合得点比率) をもとに作成
公表されている得点階層分布表をもとにグラフを作ってみました。(文字が小さくて見づらかったらごめんなさい。)
過去最高の難易度と言われるだけあって、60%を超えたあたりでストンと人数が減っていますね。 また、ボーダーライン付近は1%ごとに100人超の受験生が集まっております。例年各予備校の先生方が仰るように、合格ラインでは1問が命取りになると言うことがよくわかります。
公認会計士試験は 1%=5点・各問5~8点 なので、1問で1.0~1.6% 動くことになります。だからこそケアレスミスに注意しつつ、1問1問を丁寧に解いていくことが大事なんだなあと改めて思いました。そしてこれは恐らく論文式試験にも言えることでしょう。
総括
今回は財務会計論の難易度が大幅に上がり、ボーダーも大幅に下がること予想されており、現にそのとおりとなりました。普段の答練や模試に比べると手応えの無い方が多かったのでは無いでしょうか? (私はそうでした。)
難易度が上がっても短答式試験は相対評価の試験なので、自分の成績が悪くても他の受験生も悪ければボーダーラインも低くなります。
やはり現場で問題を解いている時の感覚に惑わされてやる気をなくしたり諦めるということは、合格を目指す受験生は避けなければならないでしょう。そこで諦めた1問でボーダーラインに1%届かないということがありうると考えると恐ろしいです。
最後まで諦めずにとにかく1問1問解くことの大切さを強く学ぶことができた短答式試験だったと個人的には思いました。これからは何が何でも1点を勝ち取る意識で勉強していきます。